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生成系AIで未来を切り拓く!”グループ横断テクノロジーコンペ”へのチャレンジ

みなさんは普段から生成系AIと呼ばれるものを活用していますか?
さまざまなサービスが世の中にあふれていますが、使いこなすのってなかなか難しいですよね。でも日常のふとした場面や仕事中に「こんなことできたらいいな…」という思いを抱いたことは少なくないのではないでしょうか。今回はそんな進展めざましい生成系AIをテーマとして開催された、グループ横断テクノロジーにおける当社のチャレンジを紹介します!


開催概要

グループ横断テクノロジーコンペ事務局の増本です。

グループ横断テクノロジーコンペは、インテージグループ各社から参加チームを募り、テーマに沿った発表を行うイベントです。
運営を行う事務局メンバーも、インテージテクノスフィアだけではなくインテージグループ各社から集まり、文字通りグループを横断した活動を行ってきました。

コンペのテーマは、ChatGPTやMicrosoft Copilotなどで何かと話題の生成系AI。アイデアのみの応募から、実際の成果物を作り上げたチームまで、全21チームの応募がありました。参加者の顔ぶれも当社をはじめとした国内のグループ各社に加え、海外からもエントリーいただきました。

当初思っていたよりも応募が多く、事務局メンバーからの「応募が少なかったらどうしよう…」の声が、しだいに「こんなに応募が!」「よかった!」とうれしい悲鳴に変わっていきました。
それと同時に「英語でのサポートなんかもしなければ」といった声など、事務局のTeamsでは活発なやりとりも増えていきました。

そして応募締め切りから約1か月。審査員による予選審査を勝ち抜いた精鋭8チームが発表を行うことになりました。

9月6日、秋葉原のインテージ社屋で開催された発表会当日。発表を行った8チーム(なんと海外からの参加も!)のうち、当社からは3チームが発表を行い、めでたく1チームがアイデア賞を受賞することができました!

テクノスフィアから発表会に参加した3チームのみなさん

発表会当日、事務局メンバーは会場設営、表彰の準備などを行っていました。リアルタイムで最終審査が行われるため、表彰状の準備、集計など、同時進行で準備するものがあったり、音声がうまく拾えないなどのハプニングがあったり、参加チームだけではなく事務局メンバーも緊張していました。

すべてのチームが無事に発表でき、審査結果の集計ができ、グループ各社への中継ができ、表彰が問題なくでき…と、すべてが無事に終わったことにほっとした気持ちでいっぱいです。
(一仕事終えた後の打ち上げのビール🍺はまた格別でした)

事務局のメンバーとしてイベントに関わったことで、グループ各社のコミュニケーションやどんな技術を使用しているかを知ることができ、とてもいい経験になりました!

インテージテクノスフィア精鋭3チームの紹介

前段のとおり、インテージテクノスフィアからは3チームが予選審査を勝ち抜き、発表会に参加しました。
ここからは各3チームがどのようなアイデアを生み出したのか、その内容を紹介します!

🏆アイデア賞受賞!漫画編集支援システム「コミックコミット」

わたしたちのチームは、「コミックコミット」という漫画編集支援システムを発表しました。

始まりは、ServiceNowハッカソンの予選であるアイデアソンでした。「仕事に生かせるAI」をテーマに、軽い気持ちでAIに「おもしろいアプリのテーマ」と尋ねたところ、返ってきた答えは「漫画や出版」という予想外のキーワード。最初は戸惑いましたが、チーム内に漫画好きがいたこともあり、このユニークなテーマにチャレンジしてみることに。

アイデアソンは惜しくも予選敗退という結果に終わりましたが、アイデアの奇抜さが評価されました。評価をもらえたことが自信につながり、グループ横断テクノロジーコンペではこのアイデアをもとに、最優秀賞を獲得し、メンバーで焼肉に行くことを目標に気持ちを立て直しました。

「コミックコミット」機能紹介資料から一部抜粋

ServiceNowを使って開発を進める中で、一番苦労したのはAIとの連携でした。AIに原稿の校閲や翻訳を任せるのはとても画期的ですが、ServiceNowへの組み込みやプロンプトの設定などが思うようにうまくいかず、何度も試行錯誤を繰り返しました。チームメンバーと協力し、少しずつ形にしていく過程は本当に楽しかったです。また、編集者と漫画家間で行う作業の動線を考慮したページ作成は難しくもありつつ、おもしろく感じました。

発表後の評価では、実際にプロダクトとして販売できるかどうか、といった視点でコメントをいただき、開発が目的となっていないかの確認の重要性に気づきました。
目標としていた最優秀賞には一歩およびませんでしたが、結果としてアイデア賞をいただくことができました。メンバーと焼肉に行くこともできたので、次回のテクノロジーコンペでは寿司を目標に頑張りたいと思います!

🥇きっかけは”炎上” 既存システムに組み込める文書評価

コンペに参加したきっかけは「最新技術に触れスキルを身につけたい」「新しい知見を獲得したい」などの単純な興味の部分が大きく、似た考えを持つ若手3名で応募しました。

業務への関連有無を問わず、いくつかアイデアは出ましたが、動機からして「せっかくなので実装まで持っていきたい」という想いがありました。結果として今回は「既存システムに組み込める文書評価の仕組み」に取り組んでみることにしました。たまたまその時期に「炎上」が世間を賑わせており、「こういう仕組みがあればあの炎上も防げたのでは?」というところから生まれたアイデアです。

機能紹介資料から抜粋
確認する文章に対しての評価が赤枠内に表示されています

現状、文書評価を行うためには、
・評価用のプロンプトを被評価側が書く必要がある ⇒ 被評価側の知識が必要、精度のばらつき
・コピペで生成AIへ流し込む必要がある ⇒ 既存システムの流れの中に組み込めない
といった課題があります。

実装において苦労した点としては、ChatGPT APIからの回答の質の向上のための試行錯誤です。使ったことのないAPIを用いてシステムに組み込む形としたため、エラーやこちらが期待する回答が得られないことが多発していました。そんな中でも、ひとつの質問を複数の質問に分割して送信するように整形するなど試行錯誤し、期待する精度の回答に近づけられたのは、短い期間の中でもよくできた部分だと考えています。

発表後の評価においては「この仕組みがあればグループコンプライアンスの向上に活かせそう」という声をいただきました。実用的なアイデアかつ実際に動くものを発表できたのが好材料だったのだと思います。

この仕組みを一般化することで「一度評価軸さえ作ってしまえば、利用者側に意識させることなく文書評価を既存システムに組み込める」という点で活用できる場面は多く、さらにブラッシュアップさせていきたいと思います!

🥇マスターの新世界でもAI活用 商品マスター整備業務

普段は商品マスターの整備を担当しています。noteではわたしたちの部署を紹介しているシリーズ記事もあるので、そちらもぜひ見てみてください。

わたしたちの部署では、以前から部署内で生成AIの活用を検証していました。部署の主要業務である「商品マスターの整備業務」を対象に1年ほど検証を行い、ある程度結果も揃ってきたタイミングでコンペの開催告知がありました。「検証活動の発信ができるし、部署の業務紹介もできそうだし、ちょうどいいタイミングだな!」と思い、応募してみることにしました。

上記リンクの記事内で詳しく説明していますが、商品マスターの整備業務は「①:商品に関する情報」と「②:整備ルールにあたる定義」にのっとって、各商品に設定する値を決定します。
今回はこの①②を入力情報と捉えて生成AIに入力し、人と同じ値を出力することを目指しました。
現状では生成AIに候補Top3を挙げてもらい、その中に正解がある確率が98%程になっているものもあります。
(業務の工程内の一部のプロセスにおける精度ですが)

今回最も苦労したことは、デモ用のアプリ作成です。
コンペ開催前から活動はしていましたが、精度の検証がメインだったので、デモ用のアプリがない状態でした。テクノロジーコンペというだけあるので、簡易アプリを用意したのですが、直前に作り始めたので大変でした。(アプリ作成自体は楽しかった)

評価として「地に足の着いた、実業務に根差したアイデアで、事例としての外部発信にも使えそう」との声もいただけました。実業務への適用と併せて、今後は外部へアピールできるよう、活動のまとめを進めていきたいと考えています。事前準備や当日の発表など大変なことは多かったけれど、とてもいい刺激を貰えたので、参加して良かったなと心の底から思っています!

おわりに

普段の生活に、ビジネスに欠かすことのできなくなった生成系AI。
(実はこの記事のタイトルもAIに考えてもらってつけています)
今回のコンペは、インテージテクノスフィアをはじめ、インテージグループ各社でのバラエティ豊かな取り組みを知ることができる良い機会となりました。
当社から参加した3チームの発表内容を見ても、普段の業務の中から出てきたものからユニークなテーマまでと幅広く、実用性だけでなくアイデア性も重視したコンペだったように思います。

これからも当社では生成系AIの利活用を進めつつ、インテージグループのITソリューションを担う立場として、さまざまなビジネス課題にチャレンジします!

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