ようこそマスターの新世界へ#5「"データ"×"商品マスター"でデータ活用度を高める」
「ようこそマスターの新世界へ」シリーズの第5回です。
第1回~4回の記事はマガジンよりご覧ください。
はじめに
前回まで商品マスター構築における、メンテナンス手順、登録、更新の重要性などについて紹介しました。今回はそんな生き物である商品マスターの活用事例を挙げつつ、「商品マスター」が「データ活用度」を高めるためにいかに重要であるかというお話をしたいと思います。
「商品マスター」の強み
第1回の記事の中で、「商品マスタービジネス推進部が手掛けているのは、インテージが提供するパネル調査サービスのためのマスターメンテナンスです。」というお話をしました。
長年手がけている商品マスターの強みとは何か、記事を書くにあたり改めて考えてみました。
メンテナンスしている「商品マスター」自体のデータ価値
30年近く「商品マスター」のメンテナンスを行ってきた経験
確立された業務プロセス、商品を分類するための知見
メンテナンスの体制(人財)
上記の強みやリソースを持ちながらも、今までは自社の事業(パネル調査)のために利用されることがほとんどでした。
しかし、生活者行動や企業活動のデジタル化が進み、あらゆるデータ取得が可能になったことで、保有データのハンドリングやデータ分析をしたいというニーズが多くの企業で高まっています。それらの課題を解決するには「商品マスター」の構築が重要だということが顕在化し、私たちに相談がくる機会が多くなってきました。
そのニーズの高まりの中で、私たちの「強み」=「商品マスター」を用いてお客さまのデータの価値を高めるお手伝いの歩みがスタートすることになりました。
ご提案していること
データの価値を高めるお手伝いとしてご提案していることは、大きく分けて2つあります。
当社で整備している「商品マスター」の提供
お客さまの「商品マスター」構築、運用の支援
具体的な事例をいくつかご紹介します。
活用事例①:小売店のECサイトにおける顧客体験向上
読者のみなさんもインターネットでお買い物をすることがあると思います。商品を検索したとき、「この商品を見た人はこんな商品も見ています」とオススメされるサイトに出会ったことはありませんか。実は、ここで「商品マスター」が活躍しています。
サイト上で商品を探しやすくするにはどうしたらよいかという課題があります。たとえば、同じブランドのシャンプーなのに「ポンプ」と「詰替え」で形状違いの商品が別々な場所に表示されてしまう、ということがありました。
この課題に対して、私たちで整備している「商品マスター」の「ブランド」という付帯情報(属性)を使用することで、同じブランドの形状違いでも並んで表示されるようになりました。
このように「商品マスター」の活用によって、お客さまのサイト上で商品の探しやすさの向上につながっています。
活用事例②:メーカーの商品カタログ用分類の整理
商品カタログ作成のために商品マスターを整備しているメーカーでは、分類が多くなりすぎて、商品に付与すべき分類がわかりづらく、そのため分類が次々に新設されてしまっているので整理をしたいという課題をお持ちでした。
この課題に対しては、私たちのマスター構築のノウハウを生かし、商品が持つ用途や機能に応じて再分類することで、分類を最適化しました。
また、それぞれの分類の定義を明確にしたガイドラインをつくることで商品マスターの維持管理がしやすくなるようなご提案を行い、現在進行形で取り組んでいます。
活用事例③:その他マスターにまつわるご支援
他にも、さまざまな業種の商品マスターにおける多様な課題に応じて、課題解決に向けてご提案、取り組みを実施しています。
おわりに
今回は、商品マスターを用いてデータの価値を高めるお手伝いをしていることについて事例を交えてお伝えしてきました。
データを保有していてもうまく活用できない場合は、どんな「商品マスター」を構築すべきかを考えることが重要です。
そして構築するうえで大切なことは、どんな業務プロセス、どんな業務システム、どんなデータを利用して、何をしたいのか、その目的に合わせた「商品マスター」を構築することです。
また、これらは「商品マスター」だけでなく、様々なデータを整理し「マスター化」するうえでも共通で重要となる視点です。
今後も私たちの「強み」を活かしながら、課題に寄り添った解決策をマスター起点で提案することにより、より多くのデータの価値を高めるお手伝いをしていきます。