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BPOで業務をデザイン!#5【経理業務のお仕事~鉄道会社~】

BPOシリーズ第5弾!今回は当社で長年続く旅行業界向けサービスの中から、船車券精算業務について担当の田中さんに執筆をしていただきました。

これまでもBPOシリーズでは精算業務についてお送りしてきましたが、また少し違った視点のお話になりますので、ぜひ最後までご一読ください!

「BPOで業務をデザイン」第1弾~第4弾はマガジンよりご覧ください。

自己紹介

こんにちは。エンタープライズ第二本部システム・サービス二部所属の田中です。長野事業所で仕事をしています。
出身は石川県です。地元は能登半島の普通の田舎ですが、最近は、地元を通る私鉄が地域の旅館や公立高校をモデルにしたアニメとコラボしていたり、そのアニメのイラストが電車の車両に描かれたラッピングカーが走っていたり、一部では、賑わっているとか、いないとか。
東京 - 金沢間の新幹線や、羽田から直通の空港など、思ったより交通の手段があるところなので、よかったらみなさん、遊びに来てください。

「旅行代理店船車券精算BPO」業務のご紹介

「旅行代理店船車券精算BPO」業務は、2019年度に始まりました。この業務のお客さまは、鉄道会社の経理部です。インテージテクノスフィアでは、旅行会社側の精算業務だけでなく鉄道会社側の精算業務も行っています。

鉄道会社の精算業務のうち、旅行会社から発行された支払い明細の内訳の精査作業が、おもな業務内容となります。精算BPOという業務名ですが、いわゆる精算の処理や作業はしていないので、まぎらわしいな、といつも思っています。個人的には、審査とか精査業務と呼んでいます。
 
鉄道会社と旅行会社のかんたんな関係図は下記のとおりです。

 利用者は、旅行会社(旅行代理店)で飛行機、バス、電車などの移動手段や宿泊場所を購入(予約)できます。お支払いは利用者⇒旅行会社となります。

旅行会社は、各航空会社・バス会社・鉄道会社や宿泊施設と契約し、仲介して商品(鉄道会社では、各切符・ツアー商品・団体割引切符など)を販売しています。売り上げがあった場合は、契約により手数料を除いた金額を各会社・各施設に支払います。お支払いは旅行会社⇒各会社・各施設(この業務では、鉄道会社)となります。
 
鉄道会社は、旅行会社から支払われる入金額と、その明細内訳を確認し、金額に間違いがないかの精査・確認が必要となります。この部分の業務をBPOとして行っています。

おもな精査内容は、下記のとおりです。

  • 区間ごとの単価の照合

  • 団体料金の割引率の精査

  • 企画商品の金額確認・集計

  • 販売手数料の確認

  • 特定の商品の有無確認・精査・集計

  • 払戻金額と払戻原券の照合

現在当業務では、約10社の旅行会社の委託を受けています。10社とも、それぞれのフォーマットで明細や確認用資料をもっているので、お客さまの会社で必要な仕訳(簿記でいう勘定科目のようなもの)の表記がない場合もあります。
そこで、必要な分類ごとに金額を仕分ける作業も行っています。精査手順も仕分け手順も10通りあることになり、とても暗記できないので、運用手順書をたよりに1~2名体制でがんばって確認をしています。
確認ができたら、納品用の仕訳フォーマットシートExcelに金額を入力し、その他必要資料と合わせてお客さまへ納品します。

さらにこまかくご紹介

各旅行会社の精算材料(上記記載の確認用資料の総称)は、おおまかに2種類あります。Excelやcsv、datファイルなどのデータで発行される場合と、紙の帳票で発行される場合です。

データの場合は、基本的にはExcelマクロのツールで自動集計をしています。自動で表示させた後、エラーとなっているデータを目視で確認し、エラーを解消していきます。エラーの原因はさまざまなので、ツールの参照箇所を直せば対処できるのか、元データが間違っていて旅行会社に問い合わせをする必要があるのか、実は知らない間に新しい項目が増えたのか…など、手順書や過去に発生した事象を確認しながら、ひとつずつ確認しています。

紙の場合は、そのまま手作業で仕訳をしています。段ボール箱いっぱいに届く紙の帳票を項目ごとに分けて、それぞれの金額の内訳を確認しながら電卓で集計します。行楽シーズンで利用者が多かったり、台風などでキャンセルが多い月があったりすると、帳票の枚数が他の月の倍くらいになるときもあるので、とても大変です。数が多いと、そのぶん書面の誤りの件数も増えるので、問い合わせ内容も増えていきます。

なぜ間違いがあるかというと、各旅行会社の各支店で端末を操作する担当者が、駅名や金額などを、手入力しているためです。入力ミスや認識違いにより金額などの誤りが発生します。紙媒体のものは全体的には減りつつありますが、データ化していたとしても根本的な部分でまだまだ手作業で作成しているものが多いので、こういった精査作業は必要になっています。

業務のきっかけと現在

鉄道会社で業務を対応されていた際は、精査作業の内容も手順も煩雑でわかりにくく、さらに精算材料がデータでも紙でもほとんどを手作業で集計していたため、社内でも慣れている人しかできない、マニュアルもないので担当者がいないと何もわからない、などといった属人化が問題視されていたようです。

また他社へアウトソーシングしようにも、旅行業界の精算のしくみや用語、鉄道会社ならではの認識など前提として説明しなければいけないことが多く、とても労力が必要で委託が難しいと感じていたようです。

インテージテクノスフィアは、長年旅行業界に携わってきた実績で、用語や精算の雰囲気を熟知していることを利点とし、委託の際のレクチャーや引継ぎをスムーズに行うことができました。

あわせて、ヒアリングから業務の可視化・マニュアル化、区間の単価の料金マスタとExcelマクロツールを作成することで自動化を行い、属人化の解消や作業の効率化を実現しました。

他にも、大量の紙の精算材料の保管・溶解処理廃棄の管理、精算材料の内容変更や追加による手順の変更とマニュアルの刷新、消費税変動や値上げによる運賃料金マスタの更新など、いろいろなこまかい業務内容もあわせて管理していますので、担当者がかわっても大きなロスなく必要な業務を行うことができるということで、お客さまからよろこばれています。

おわりに

インテージテクノスフィアでは、長年の旅行業界向けの業務で培った知識をもとに施設側の複雑な精算業務を陰ながらお手伝いさせていただいています。今回は鉄道会社の経理業務についてお話をさせていただきましたが、細かい業務であることが伝わりましたでしょうか。

今回の記事を機会に、今後はより多くの人に、こんな業務もあるんだな、と知っていただければ幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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