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快適なリモートワークの裏側で~情シス奮闘記~

インテージテクノスフィアでは4月より週1~2回の出社奨励となり、出社する機会も増えてきましたが、現在もインテージテクノスフィアを含むインテージグループでは多くの人がリモートワークを続けています。(※会社、部署により異なります)
今では当たり前となったリモートワーク。今回は現在の快適なリモートワークが実現するまでの裏側をお届けします。

はじめに

こんにちは。グループビジネス推進ユニットの芦原です。
梅雨が明けましたね!リモートワークだと猛暑のなか出社という過酷なイベントを回避できるので、いつも以上にリモートワークに感謝している気がします。

リモートワークが始まってから2年以上が経過し、リモートワーク環境がすでに整った状態でインテージグループに入社した方も多くなってきています。
インテージグループでは元々リモートワークの環境が整っていたわけではなく、世の中の多くの会社と同様、コロナをきっかけに全社的なリモートワークを開始することになりました。
もちろん、今日からリモートワーク開始ね!といってすぐに移行できるわけもなく、その裏側では環境構築のために様々な苦労がありました。
今回はリモートアクセス環境の構築に奮闘してくださった、グループビジネス推進ユニット(当時の部署名は情シス)の岩崎さんと高野さんにお話を伺いました!

自己紹介

背中で語るお二人(左:岩崎さん、右:高野さん)

岩崎さん(写真左)
入社以来、ずーっと情シスに携わっています。昔はメインフレーム、大型汎用プリンター、テープ装置、ちょっと前ニュースになったフロッピー(しかも8インチ)、データーセンター/サーバー管理、共通サービスなど一通り担当し、現在はグループのITインフラ(ネットワーク、セキュリティ)維持管理を担当しています。
対面での接触が減ったので髪を伸ばしていて(実際は切りに行くのが面倒くさい)最終的にはロン毛白髪を狙ってます。
趣味は釣りですね。特に筏に乗ってダンゴをコネコネしていると童心に帰れますよ!

高野さん(写真右)
入社以来、情報システム部門に携わっています。メインフレーム担当から、ネットワークへ移って、インテージグループのネットワークの維持管理。セキュリティ担当部署を経て、またネットワーク維持管理を担当しています。
秋葉原事業所設立時のITインフラ関連の構築なども携わり、徹夜続きで作業したのが今ではいい思い出です(辛かったですけど)。
趣味は、日本全国のお城めぐりと美味しいものを食べることですね。100名城スタンプを最近始めて、また一から全国のお城をめぐっています。何回訪れても、良いですね。食べ物も前回とは違う郷土料理が食べられてうれしいです。

リモートアクセス環境全社公開までの道のり

ーーーコロナ以前のリモートアクセス環境について教えてください。

岩崎さん:申請制をとっており、主に外勤やシステム監視を行う方が利用をしていました。申請者数は500名ほどでしたが、実際の同時接続数は多くて200名前後、リモートアクセスから利用できる社内サーバーは制限がある環境でした。
コロナ禍以前も緊急対応用のリモートアクセス環境はありましたが、現在のような環境ではなく、主に情シス部門の検証環境として利用していました。

ーーーリモートアクセス環境を全社に公開するにあたっての課題はなんでしたか?

岩崎さん:とにかく、公開までの時間がありませんでしたね。緊急対応用の環境をインテージグループ全従業員向けに公開するまで、1週間くらいしかありませんでした。
高野さん:そうそう!あの時は大変でした。しかも、仕様の要求があちこちから噴き出して、取り纏めるのも大変で。
岩崎さん:そもそも、全従業員の利用を想定していなかったので、機器のスペックにも相当不安がありましたね。
高野さん:200名から全従業員を対象になりましたからね。不安でしかなかったよね。

怒涛の時系列表

ーーーインテージグループでは全社的に大きな混乱もなく、スムーズにリモートアクセス環境が公開された印象でした。本当に臨機応変かつ超特急で対応していただいたことがわかりますね。

公開後の課題その1:ユーザーサポートとアクセス制限

ーーーリモートアクセス環境の公開後もさまざまな課題があったと思いますが、特に印象に残っている出来事はどのようなことでしたか?

高野さん:まずは、今までリモートアクセスを利用していなかった内勤者からヘルプデスクへの問合せが殺到したことです。リモートアクセス用ソフトのインストールの方法から使い方まですべて説明しなければならなかったので大変でした。
岩崎さん:ヘルプデスクには感謝しかありません。<(_ _)>
あと、今まで通りの社内サーバーへのアクセス制限では仕事ができないとのクレームが殺到し、緩和対策を実施しましたね。

ーーーセキュリティの観点から、アクセスは社内からの接続のみ許可といったサーバーも多くありましたもんね。

高野さん:そうですね。セキュリティとの兼ね合いなどで、セキュリティ主管部署ともいろいろと協議しましたね。
公開前に不安視していた機器のパフォーマンス不足も的中しました。リモートアクセス時にはWeb会議を利用しないなど、いろいろと機器のパフォーマンスを上げる施策を実施しましたが、なかなか改善できなかったのが心苦しかったですね。
岩崎さん: それについては、ベンダーに感謝ですね。機器の手配など迅速に対応していただき、助かりました。

公開後の課題その2:パフォーマンス問題

高野さん:あとは回線問題。
岩崎さん:もともとリモートアクセス専用回線は無かったんですよね。共用のインターネット回線がバックアップ回線含めて2本あったのですが、リモートアクセスの利用が増大したため、回線の帯域が圧迫し始めてヒヤヒヤした。

高野さん:公開してからしばらくして、回線が「遅い」「すごく遅い」との問い合わせが相次いできましたね。設定内容を確認しても特に問題が見つけられず…。トラフィックを可視化するツールで確認したところ、どうも通信が1か所に偏っているように見え、なぜだろう?と悩みました。
岩崎さん:あれは大変だったね。通信を確認するために検証環境を構築してパケットキャプチャを実施し、通信経路を一つずつ検証していったね。おぼろげながら問題点が見えてきても、修正の仕方がわからなくて。
長時間調べるなか、インターネットの検索結果画面に映し出されたYouTubeの画面が、自分たちの環境とそっくりな構成図で。何語かわからない解説を聞きながら、画面の図のみで内容を何とか把握しなければならないのがつらかった。

高野さん:そこからネットワーク設計のやり直しも大変でしたし、試行錯誤の状態でした。検証環境を作ってそちらでいろいろと試しましたね。大変だったけどいろいろできて知識もついて面白かった。
岩崎さん:今思えばあの当時は必死で、時間と周囲の期待とのプレッシャーで大変だった。

リモートアクセス環境公開がスムーズにできたポイント

岩崎さん:今回の対応では所々で運がよかったと感じています。

  • ベースとなる環境があったので一からの設計ではなく素早く移行できた

  • 別の案件で計画していた回線増強が利用できた

  • 機器増強の稟議が異常なほど短時間で決裁された

高野さん:それに知見があったのも大きいですね。
岩崎さん:社内のすべてのネットワークに関して、私たち情シス部門が維持管理を行っていたため、環境に対する知識も豊富で、自分たちで自由に設定変更ができたのもポイントかな。

選ばれし者のみ入場できるインテージグループのデータセンター内

高野さん:そういえば、リモートアクセスのSaaSサービスを利用している企業が、利用増大によってSaaSサービスが停止してしまって、リモートアクセスが使えないってニュースもありました。
その点、インテージグループでは自前での構築だったので、周りの影響は最小限で済みました。
岩崎さん:部署の上長のサポートも大きかったね。対外的な対応や、私達のメンタル面のサポートは本当に助かりました。そのおかげで、何とか無事に今を生きています。

これからのネットワークを考える

岩崎さん:リモートワークも、あれから2年が経過して、色々と課題も見えてきています。
特にコミュニケーション不足が指摘されています。最近は出社日を設けて部署毎に出社してコミュニケーションをとる施策が奨励されていますが、リモートワークは今後も無くなることはないので、上記のような課題に対して、みんなが楽しくコミュニケーションが取れるツールや制度を検討していければと思っています。
高野さん:若者よ。ネットワークの沼に!カモ~~~~ン!!

ーーー岩崎さん、高野さん、ありがとうございました。
通信だけではなく、コミュニケーションも含めた大きな範囲の"ネットワーク"を提供する部署として、引き続きよろしくお願いします!

おわりに

サーバーやネットワークをはじめとする、いわゆるITインフラと呼ばれる、情シス部門が担当している業務は、生活における水道や電気と同じように「動いているのが当たり前」「スムーズに使えるのが当たり前」と思われがちです。
日々の業務を快適かつ安全に進められるよう、少人数のプロの方が日々粛々と、ときには臨機応変に業務環境を整えてくれているということを、この記事をきっかけにあらためて思い出していただければうれしいです。


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