情シス部門の業務DX化、本気ではじめました
情シス。
今となっては誰もが知っている言葉として使ってしまっていますが、自身が社会人になる前は口にしたことがなかったような…
編集メンバーの久保田です。私は学生の頃、「システム情報」と名の付く研究科に所属していたので、むしろ「シス情」という言葉を日常的に口にしていました。はい、さっそく話がそれましたね。悪いクセです。
先日、インテージグループの社内イベントで情シス部門のメンバーが「業務DX化」の取り組みについて発表をしていました。とてもいい内容だなと私は感銘を受けたので、発表者であるグループビジネス推進本部の三好さんに頼み込んで、note記事にさせてもらうことにしました。届け、情シスの想い!
一般的な「情シス」とは
私も「定義を述べよ」と言われるとバシッと説明はできないので、この記事を書くにあたって調べてみました。
たった4文字で表現するのが申し訳ないほど、広大な領域だということに改めて気づかされます。
しかも、実際はこれだけではないですよね?
Wi-Fiが繋がらないとき、社内システムでエラーが発生したときなど、なにか困ったことがあればついつい頼られてしまうのが情シスなのです。
では、ここからは情シス部門の発表内容を見ていきましょう。
インテージテクノスフィアにおける「情シス」
実は、インテージテクノスフィアには「情報システム」と名の付く部門は存在しません。グループビジネス推進本部のシステム二部とシステム三部が情シスの役割を担っています。それぞれの部署の紹介文を見てみましょう。
大事な点を補足しますね。
ここでいう「全社」とはインテージテクノスフィアではありません。インテージグループです。各社ごとに情シス機能を持つグループ会社もありますが、インテージグループ全体に向けてサービスを提供しているのがグループビジネス推進本部なのです。
次に、提供しているサービスの広大さをお伝えしましょう。
提供サービスは大きく分けて以下の3つです。
コーポレートサービス
グループ基盤サービス
運用サービス
すごいですね。業務に必要なものすべてを提供してくれているんですよね。サービスとして名前が付けられるものがこれらなだけであって、名前の付かないさまざまな対応がもっと他にもあるはずです。
業務DX化取り組みの背景
では、このような情シス部門がなぜ業務DX化に取り組むことになったのでしょうか。
インテージグループではここ数年で、業務DX化を加速させるためにMicrosoft365、Box、ServiceNowといったIT基盤サービスを導入しました。
これらのサービスを活用して社内業務のDX化を推進したいという想いはあるものの、サービス導入を終えたばかりの段階では、組織的な技術習得がまだ追いついていなかったり、ツールがあってもこれでどうDX化を進めていくのかという知見が足りていないという状況でした。
そこで、まずは情シス自身の業務DX化に取り組むことで、技術習得と知見獲得を進めていくことにしました。
過去にもこういった観点でのプロジェクトはありましたが、前述のように広大でクリティカルな日常業務に追われ、本格的な着手はできていませんでした。
まずは問い合わせ・申請窓口サイトの構築から
最初の取り組みとして、広大な業務範囲のうちどこを対象とするかを決めました。業務DX化の取り組みの根底には「ユーザーである社員に向けたサービスを向上したい」という想いがあります。そこで、問い合わせ・申請対応のDX化を対象とすることにしました。
当社では、問い合わせ・申請対応は特定のメールアドレスを窓口としていて、年間で10,000件超の問い合わせが発生しています。これは当社の情シス部門の業務のうち20%近くの工数を占めます。
ユーザー視点では、問い合わせの進捗状況がみえない、過去の問い合わせをたどることができないといった不満が顕在化していました。
そこで、メールでの問い合わせ・申請を廃止して、問い合わせ・申請窓口サイトを開設することにしました。
すでに第1弾として窓口サイトが社内に公開されています。これにより、メールでのやりとりからサイト上でのやりとりに変わりましたが、ユーザー自身の変化に対する心理的障壁もそれほど高くなく、移行後のメリットを明確に感じることができました。ユーザーを戸惑わせることなくスムーズに移行できたDX化好事例になったと思います。
ちなみに、このサイト構築に大きく貢献したのは、以前ServiceNowハッカソンに参加した「木村リーダー」です。
見えてきたDXの勘どころ
まず情シス部門が自身のDX化に取り組んでみて、見えてきたことがあります。
それは、IT基盤やツールを導入するだけではDX化は進まないということです。自分たちのマインドチェンジが必要です。
情シス部門の業務DX化のなかでは、以下を意識するようにしました。
異なる業務 / サービスでもできるだけ同じ仕組み(基盤)を使う
開発負荷の軽減、異動時の負荷の軽減、メンテナンス負荷の軽減ローコード / ノーコードで実現できる範囲で最大限活用
開発効率化、変化への対応、少人数作業のDX化仕様に仕事を合わせる
今までのやり方が正しいとは限らない
業務フローの見直し検討を
特殊化でなく進化をあればいいなというものじゃなくて、ないと困るものだけに絞る
今後の取り組みにおいても、これらのことを念頭において進めていきます。
最終的な目的は「推進」
情シス部門の業務DX化として進めていますが、最終的な目的はインテージグループ全体の業務DX化の推進です。そのためには、まず情シス部門が技術力・対応力を身に付ける。そして、その取り組みをIT基盤を活用した事例として広く知ってもらう。それにより、「従来の情シス」ではなく「DX化を推進する情シス」として全社から信頼されるパートナーになる。
単なるサービス提供にとどまらず、DXの体現を示していくのがインテージテクノスフィアの情シス部門であるグループビジネス推進本部のめざす姿です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?一部ではありますが、これが私が感銘を受けた内容です。この取り組みはまだ始まったばかりで、これからもひとつずつDX化が実現されていくはずです。みなさんに見せびらかしたい成果ができたら、また三好さんに頼み込んで記事にさせてもらおうと思います。