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BPOで業務をデザイン!#4【入試業務支援サービス~採点~】

前回に引き続き、BPOシリーズ第4弾の入試業務支援サービスについてご紹介します。今回は採点の業務について、現在業務に携わっている江畑さんから詳しいお話をお聞きしました!

これまでの「BPOで業務をデザイン」の記事はマガジンよりご覧ください。

はじめに

突然ですが、入学試験は何年前に経験しましたか?
5年前?10年前?20年前?

実は当社はおよそ40年前から現在まで、大学の入試のお手伝いをしています。もしかしたら、あなたの大学入試に私たちが関わっていたかもしれません。どうでしょう。興味が湧いてきましたでしょうか。今回は前回に引き続きそんな大学入試にまつわるお話です。

前回の岡田さんの記事で紹介した【願書受付】も重要な業務ですが、今回の【採点】も非常に重要な業務です。(入試業務支援サービスにはもう一つ重要な業務がありますが、それはまた別の機会にお話しします。)

申し遅れました。私、エンタープライズ第二本部システム・サービス二部の江畑と申します。

最初にお断りさせていただきますが、この業務は非常に機密性が高い業務のためすべてを記載することはできません。あらかじめご了承ください。

大学業務は非常にセキュリティを求められる業務です。なぜなら、受験生の将来がかかっているからです。大学とも秘密保持契約を締結しています。よって、どの大学の話か特定できないような内容になりますが、想像して楽しんでいただければと思います。

また、当社は手採点入力を含む採点業務を実施していますが、今回はマークシート形式の採点のお話となります。なお、手採点の採点自体は学術的な判断が必要なため、サービスの提供はしておりません。

マークシート例(実際の業務で用いているものではありません)

採点業務とは

採点業務とは、はい、文字通り、入学試験の採点業務です。
ここでは業務で気を付けるべき点を2つ、紹介します。

①正確性と迅速性

通常、運用業務では正確さと迅速性はトレードオフの関係になってしまいがちです。が、大学入試は、受験生の将来を左右してしまうので、採点の取り違え(別人の採点)や、解答の整合性の不一致(択一問題なのに複数選択しているなど)などのミスをゼロにすることが求められます。

かつ、大学から解答用紙をお預かりして、翌日には採点結果をレポートの形にして納品するという、迅速性が求められます。というのも、多くの大学では採点の翌日に合否判定会議があるためです。合否発表日を事前に公表しているため、その日に間に合わないということはあってはなりません。
このトレードオフとなる特性を両立させるために、当社ではさまざまなノウハウを駆使しています。当社の強みであるシステム開発と、システムで補いきれない部分を人の力で補える体制を整え、それぞれの強みを生かしてデータチェックを行っています

②臨機応変な対応

以前から大学入試の問題は、試験後すぐに公開されていました。これは大学入試が公明正大なことの証ともなっていますが、その影響で思いもよらないことが発生することがあります。

すなわち作題ミスです。ニュースなどで目にしたことがあるかもしれません。例えば日本史の択一選択の問題にもかかわらず、有識者の見解によっては正解が2つ以上あるような場合です。そういった場合、大学による判断が入るのですが、往々にして「どのような選択をしていても正解とする」といった決定がなされることがあります。つまり、元々が正解だろうと、不正解だろうと、白紙であろうと、複数を選択していようと、全員に2点を付与するといったことが起こり得ます。しかも採点当日に。その場合、上を下への大騒ぎです。1つ目で説明した正確さと迅速さを満たす必要があるため、臨機応変に解答変更に全力で対応します。

こちらの対応は、システム的な面より、人によるノウハウ・対応力が必要な業務です。そのため、知識やノウハウの継承に努め今後も進めていきたいと思います。

採点業務の概要図より

もっとうるおいを!

ところで、採点業務を実施するにあたって、大事なことってなんだと思いますか?正確性や迅速性、臨機応変に対応することは前段で述べました。ここでは秘密保持に抵触しない形で、それ以外に必要な意外な一面をお伝えします。

多くの大学では、一般入試の時期は決まっています。だいたい1月~3月です。季節は冬。外気温は低く空気も乾燥しています。

そんな中、大量のマークシート用紙を1枚ずつ正確に読み取るために、専用の機器を用います。特殊な機器のため、メーカーの保守担当者さんに常駐いただき、異変があればすぐに対応する体制を整えています。ですが、そういった体制以上に、私たちは今までの経験上、安定して継続稼働させるには「うるおい」が必要であることを知っています。

お肌と同じように、乾燥は大敵です。

うるおいがないと、用紙を重複して読み取ったり、静電気でくっついたり、地味なところでは指を切ったりします(結構痛いです)。現に私たちが運用する際も、高性能な加湿機能付き空気清浄機をフル稼働させます。読み取り機器や保守体制を整えたうえで、最後に調整するべきは、空気そのもの。

18世紀ドイツの詩人ゲーテは、その臨終に際して「もっと光を!」と叫んだとされています。多くの作品を残した彼は、自分の手の届かないところにも光を照らして、さらに多くの作品を残したかったのかもしれません。
私たちも、数多くの件数を迅速に正確に運用するため、心の中で叫んでいます。「もっとうるおいを!」と。

作業場所にも運用者の心にもうるおいが必要

おわりに

大学入試における採点業務について、イメージが湧きましたでしょうか?すこしでも業務の内容が伝わっていればうれしいです。

私たちは長年に渡り採点業務に携わってきました。そのノウハウ、安定性、品質、セキュリティには自信があります。

現在は大学入試業務だけですが、過去には資格試験や模試の採点業務も実施してきました。何十万件というオーダーです。もし、マークシートの活用や採点のノウハウを活かすような業務があれば、いつでも江畑までご連絡ください。業務に直接関係なくとも、例えばこの記事の感想でもOKです。歓迎いたします。
長文にお付き合いいただきありがとうございました!

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