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BPOで業務をデザイン!#4【入試業務支援サービス~願書受付~】

BPOシリーズ早くも第4弾!今回は入試業務支援サービスについて、長年業務に携わっている岡田さんよりご紹介します。

「BPOで業務をデザイン」第1弾~第3弾はマガジンよりご覧ください。

自己紹介

エンタープライズ第二本部システム・サービス三部 岡田です。
ひばりヶ丘事業所で勤務しています。
趣味のスキーで長野事業所のある長野県によく行きます。過去に掲載された白馬村の蕎麦屋は制覇済みです。みなさんもぜひ行ってみてください。

私は2001年に入社して以来、教育業界のBPO業務に従事してきました。
塾や予備校だけでなく企業も含めて、試験処理の申込データの作成や採点・集計処理などに携わっていました。
そのころ、既に当社で大学入試の業務も取り扱っており、その年の冬に「ちょっと手が空くタイミングで手伝って」と頼まれ、そのまま私のメイン業務となっています。

大学入試業務とは

大学入試業務といえば、昔は社内では季節労働者と言われていました。でもなんだかんだと年間通して稼働しています。
人の人生が関わってくる業務なので、失敗は許されません。そのため、本番期間よりも準備期間が長くなっています。
大学入試の業務は期間が長いので、“願書受付”、“採点処理”、“入学手続”と大きく3つに分けられます。全部を話すと長くなりますので、今回は願書受付業務についてご紹介します。

大学入試業務の概要についてはこちら

願書受付とは

提出されてくる書類から大学受験資格があるかの確認を行い、出願の受付をすることです。当社ではこの確認作業を行うとともに、調査書(内申書)の成績(全体の評定平均値)などをデータ化し、大学に提供しています。 

私が入社したころ(2001年)

  • 高校、書店、大学から願書を購入し、受験生が手書きで記入

  • 証明写真を願書に貼り付け(モノクロ写真・カラー写真)

  • 受験料は銀行窓口で納付(窓口営業時間内に保護者が手続き)

  • 調査書(内申書)は手書き(記載誤りが多数)

  • 受験票は印刷し、郵便にて発送(受験生が紛失したら再発行・再発送)

現在

  • WEB出願システムで登録(最終登録画面で入力内容の妥当性チェックが行われる)

  • 証明写真はオンライン登録(証明写真として遜色なければスマホからの撮影も可)

  • 受験料はオンライン決済(土日祝問わず24時間決済可能)

  • 調査書は活字化(学校印も電子印)

  • 受験票はオンライン取得(受験票再発行がなくなった) 

昔は願書への記入が手書きだったので、記入漏れ、願書と調査書との記載不一致、証明写真が貼付されておらず取り寄せといった不備が多くありました。(これらの架電対応にも一苦労…)
10年ほど前より、WEB出願システムでの手続きが主流となり、必要項目の登録漏れはなくなりましたが、誤登録が多く、データ修正対応に追われています。
今はPCよりもスマートフォンで手続きをする人が約7割と割合が多くなっています。

これから受験を控えているお子さんがいる保護者の方への注意ポイント!「氏名」「生年月日」「卒業年月」は非常に間違いが多いところです。
登録を完了させる前に一緒にチェックしてあげてください…!

また、業務内では不備の問い合わせだけではなく、コールセンターも受託し、受験生や保護者からのQ&A対応も行っています。
入試制度や出願手続き、WEB出願システムの操作についても理解しておく必要があります。また入試の公平性を保つために、回答に非常に困るお問い合わせもあったりします。

入試制度の多様化

大学は優秀な学生の獲得を目指し、入試制度を多様化させています。
試験一発勝負!!といわれている一般選抜入試に外国語検定資格を用いるようになりました。大学によっては出願資格としてのみ扱う場合もあれば、合否判定に外国語検定資格のスコアを利用したりします。

推薦入試となるとさらにいろいろあります。
提出書類も入試の種類によって多岐にわたり、留学生向けの入試では日本語以外の書類が提出されてきます(英語、中国語、韓国語に長けている作業要員が欲しい!)

このように、年間を通じてさまざまな入試制度に対応した願書受付業務を行っています。

年間スケジュール例

当社では願書受付作業を行うにあたって、受託している大学の入試制度に合わせたシステムを構築しています。書類の内容確認については目視によるチェックだけではなくシステム的にも妥当性を確認し、ダブルチェックするようにしています。
また当然ながら願書や学校の調査書は「個人情報」にあたるので、データも書類も適正に管理・保管しています。

今も昔も変わらず苦労していること

ピークボトムが激しい

一般選抜入試の場合、現役の受験生は3学期の始業式に学校に行って調査書を発行してもらうケースが多いです。
その週末に手続き→週明け発送となることから、共通テスト試験日の数日前が、どこの大学の業務も共通してピークとなります。ほぼこの1週間が短期決戦といっても過言ではない…。

書類不備があった際の、締切間際のやりとりや天候にはとてもヤキモキします。
数年前には大雪の影響で首都圏の交通網がマヒしてしまい郵便がストップ! 1日遅れで郵便が到着したこともありました。

“紙”の取り扱いのため、人手が必要

ありがたいことに当社では複数大学の願書受付作業を実施していますが、守秘義務から大学名は公開できません。

個人情報を取り扱うことから、関係者以外立ち入り禁止とした場所で業務を行う必要があります。(ひばりヶ丘事業所のみなさんすみません、長期間にわたって会議室を占有してしまっているのはこのためです!)

多い日には1日に複数大学で合計約1万通もの郵便が到着します。
受験生は提出した書類が無事に到着したかどうかを心配しているので、その日のうちに到着情報を公開するための対応が必要です。そのため、一番多い時期には120名もの作業要員の方が作業に従事してくれています。
 
「楽しかった!」と毎年来てくれている作業要員の方もいらっしゃいますが、毎年新規に大量採用を行っています。
昔は専業主婦の方がエントリーしてくれていましたが、現在はフルタイムで働く方が多くなったため、必要数の要員を確保するのにとても苦労しています。(業務の特性上、学生不可にしています)

作業要員の教育

前述したとおり人の人生が関わっているお仕事となるので、ミスなく願書受付をするためには、作業要員の方たちへの業務教育が重要です。
取り扱う内容は「個人情報」になるので適切に取り扱うため、ルールの徹底が必要です。
マニュアルも毎年ブラッシュアップしていき、業務研修にも力を入れて品質を担保するようにしています。

大学入試のこれからに向けて

大学入試制度改革として「高大接続」ということばがあります。
高大接続とは、高校と大学の入学選抜を通じて一体的に改革を進め、「学力の3要素」を育成していこうという教育改革です。

<参考>
1-1-1 「高大接続改革」とはどのような改革ですか。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1402115.htm
3-1-1 各大学の入学者選抜はどのように変わるのでしょうか。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1402193.htm

文部科学省HPより

こうした改革により、一般選抜入試よりも推薦入試で大学に入学する学生の割合が増えてきています。今までは学内で願書の受付をしていた大学が、一般選抜入試だけでなく推薦入試についても外部委託を検討するようになってきました。

推薦入試では成績のみならず高校3年間の活動にも着目され、高校の調査書についても記載しなければならない情報が増え、教員の負荷が高くなっています。負荷軽減の目的もあり、2025年度入試から様式が変更になります。

また調査書は文部科学省において2022年度を目途に電子化を検討していましたが、高校側のITインフラなどの課題もあり停滞し実行には至っていません。しかし、ICT活用の取り組みもあるので、いずれ調査書が電子化される時代はくるものと考えています。

今後も国の教育制度・大学の入試制度の変化にあわせて、願書受付業務も、システム面・運用面から柔軟に対応していきます。


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