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欲しい本が、書店にいつもあるために ―――書店と出版社をつなぐことで支えたい

スマートフォンやタブレットで手軽に電子書籍を読める時代になりました。それでも、本棚にずらりと並んだ背表紙から「これは」と思ったものを手に取って、ページをめくりながら読み進めるのも、「本」の魅力。フラっと立ち寄った書店で、書店員さんが手作りしたポップを読んで目的以外の本を買ってしまうのもまた格別です。

こんにちは。編集メンバー&経営企画部の池田です。先日、東洋大学で講義をさせていただいたのですが、ある学生さんから「アルバイト先の書店でPOSシステムを使っています」というコメントをもらいました。
そうなんです!インテージテクノスフィアは、出版業界向けにもサービスを展開しているのです。書店で働く人が私たちのサービスを身近に感じてくれたことをとてもうれしく思いました。
電子書籍の普及や通販の拡大で、書店の閉店が相次ぎ、赤坂駅周辺にはついに1軒も書店がなくなった、そんなニュース記事を目にします。残念ながら、現実として、書店がない町も実際にある状況なのです。
書店の経営が大変だという現状も聞くことがあります・・・
そこで今回は、本棚の後ろにある書籍流通の仕事をデジタル化し、書店と出版社をつなごう!と活動している馬場さんに、出版と書店を支えるシステムの今を語ってもらいます。

はじめに


出版業界向けサービスの営業担当をしている馬場です。
今から約30年前、出版業界向けサービスは、出版社が書店の売り上げデータを提供して欲しいというところからスタートしています。まだまだインターネットが普及していない時代に開始した長い歴史のあるサービスです。
現在では、他の業界同様、出版業界もデジタル化やビジネス変革の波が押し寄せてきています。そのため、現在は3つのサービスで出版業界のDXを推進しています。

出版業界を「つなぐ」3つのサービス

1つ目は書店の売り上げを出版社に提供する「出版POSシステム」です。お会計の時にバーコードリーダーでピッと読み取っているアレです。
私たちは、書店にとってそれほど負担をかけず、書店や出版業界を同じく支える企業を通じデータを収集して出版社に届けています。出版社では、どの書店で何がいつ何冊売れたかというデータを使って、需要予測、重版判断、企画立案などを行っています。

2つ目は店頭に並べるための本を出版社にオンラインで発注する「Bookインタラクティブ」です。みなさんにも馴染みのある書店の仕事の効率化につながるサービスです。今回はこのサービスを詳しく説明します。

3つ目は書店の在庫情報を出版社に提供する「在庫データ中継サービス」です。1つ目の「出版POSシステム」は本の売上データですが、こちらは書店に今、在庫が何冊あるかというデータを管理するサービスです。出版社では、売上データに加えて在庫データがあれば、どの書店にどれだけ補充すればよいか判断しやすくなりますよね。

出版業界向け3つのサービスの概要

本をオンラインで発注するサービス「Bookインタラクティブ」

従来書店は、出版社の営業時間内に電話等で直接注文し、後日何冊出庫されるのかなど、やりとりをしていました。また、本の出版社が異なれば、それぞれの出版社ごとに発注依頼の連絡をしなければなりませんでした。これ、なかなか面倒な業務です。
ここの業務をスマート化するためのサービスが、「Bookインタラクティブ」です。
このサービスを利用することで、昼夜いつでも都合のよい時に注文することができるのです。そして注文した本は、出版社の倉庫から、いつ何冊出庫されるか、この仕組みで確認ができます。
「Bookインタラクティブ」はインターネットに接続したタブレットやパソコンがあれば利用できます。例えば、これから発売される新刊を注文したい場合や、書店に来店したお客さんから「この本が欲しいのですが…」と言われても在庫が無い場合などに、お客さんの目の前でタブレットからちゃちゃっと出版社に注文することができます。棚を整理していて、「売り切れになりそうな本を補充しなきゃ!」と気づいたときも即注文できます。
多くの出版社が「Bookインタラクティブ」を利用しているので、出版社が異なる本でも一度に注文することが出来ます。
電話やFAXを介して、決められた時間帯の中での紙伝票のやりとりから解放されるので、各段に書店のバックヤード業務が効率化されます。

現在約5,200軒の書店がこのサービスを利用しています。サービスを利用する書店の数は、毎月増加しています。

書店だけではなく注文を受ける出版社の利用も急増!

「Bookインタラクティブ」は、利用出版社の数も急激に増加しています。
コロナ禍の影響で、出版社では、営業担当者が実際に書店を訪問することが難しくなり、オンラインの注文サービスを導入するケースが増えました。実際、コロナ禍前後で利用出版社の数が一気に3倍以上にも増え、この9月にちょうど80社に到達しています。
サービスの利用を始めた出版社からは、「これまで注文がなかった書店から注文が入るようになった」という喜びの声もありました。
コロナ禍をきっかけに、出版業界でもオンラインサービスの普及が加速し、売り上げや在庫などのデータを活用したいという話を聞くと、この業界でもDXが進み出したことを実感します。

発展し続ける出版業界向けサービス

私たちは、出版業界全体を「つなぐ」ことに日々邁進しています。
例えば、出版社から書店への郵送物や連絡をオンラインで、そしてファイルの授受もメール添付しなくてすむようなサービスを展開していきたいなと考えています。
書店や出版社を取り巻く環境は正直厳しいと思います。でも、IT会社だからこそできることで、本という文化の維持に貢献していきたいと願っています。

出版業界向けサービスページは以下です。リーフレットや業界紙の記事もダウンロードできますので、ぜひアクセスしてください。


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