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ようこそマスターの新世界へ #4「商品マスターは生き物です」

「ようこそマスターの新世界へ」シリーズの第4回です。
第1~3回の記事はマガジンよりご覧ください。

今回は、「商品マスター」の価値を保つために、なくてはならない「情報の更新」のお話です。

はじめに

スーパーへ買い物に行くと、「なんだかこの商品、いつもより高い気がする。こっちはそれほど高くないけど、なんだか容量減ってない?」ということ、増えましたよね。
ここ数年続いている値上げの波に、一消費者としても大打撃!
ですが、マスターも非常に踊らされ…関係しているのです。
一度マスターに登録された商品も、原材料高騰の波を受け、容量が変更されたり、材料が変更になったり…登録された時から内容が変化してしまうと、情報として使えないものになってしまいます。
そのため、マスターは構築したと同時に絶えず「更新」を続けていかなくてはなりません。

更新の元となる情報

では、どこからその更新情報を手に入れているのかというと、

  • パンフレット

  • 発売元からの情報

  • リリース情報(メーカーHP、ニュース、新聞など)

  • JICFS(※1)   …などなど

上記は一例になりますが、更新を追いかけるにはさまざまな情報元に登録されている内容に変更がないかチェックをする必要があります。

※1 正式名「JICFS/IFDB」。GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)が管理運営を行っている、GTINコードとこれに付随する商品情報を一元的に管理するデータベースサービス。
<JICFS/IFDBとは>
https://www.gs1jp.org/database_service/jicfsifdb/

商品やパンフレットを見ながら登録・更新作業を行います

すでに登録されている情報との違いを探すのはまるで間違い探しのよう♪…なんてワクワクできたらいいのですが、「えっ!!いったいどこが変わったの!?気づけないよ!!」なんて迷宮に迷い込むこともあります。
長年の経験と勘に頼って…みたいなベテラン刑事のようにはいかないので、きちんと信用できる情報に絞り、それぞれの情報に対して最適な更新チェック方法を設定しています。

例えば、あるメーカーのHPは毎週火曜日に更新されます。
新商品やリニューアル情報が掲載されることが分かっているとしたら、それをタイムリーに確認できる方法を考えるなど、それぞれの情報源に対してチェック方法を決め、更新する体制を整えています。

更新の種類

また、「情報の更新」と一口に言っても内容はさまざまです。

  • 商品内容の変更
    容量の変更や商品名称、機能の変更、または、まったく別の商品への変更など

  • リニューアル
    パッケージを変えたり、ブランドを一新したり、原材料を変更するなど

  • 登録の誤りの修正
    実際の商品から登録した時点での情報が間違っていたことが判明した場合の修正など

更新の方法

更新をする際にもルールが必要になります。以下でご紹介するのは更新の仕組みを作る際に決めておきたいルールの一例ですが、「どのような目的でこのマスターを利用するのか」によって設定すべきルールも変わってきます。

1.既存レコードの扱い

1-1. 同じコードでレコードを重複させる/させないを決める
例)同じコードで商品自体が変更になっている場合 
パスタソース → トマトケチャップ

1-2. 同じコードで新規レコードとして追加するまたは既存レコードを修正する
例) 同じコードで商品自体に変更はないが、容量、入数、容器など内容が変更されている場合
容量: 小粒納豆 100g×3パック → 小粒納豆 90g×3パック 
属性: 国産 → カナダ産

つまり、更新の種類によってどのようにレコードの扱いを変えるか、検討が必要です。

2.修正タイミング

2-1. 随時修正する
商品の変更が確認できた時点で、修正を行います。既に変更になっている商品の場合、こちらのパターンが多いです。

2-2. 決まったタイミングに一括で修正する
随時データを変更したくない事情がある場合は、修正情報を蓄積しておいて定められたタイミングで一括修正するという手段もあります。
あるいは「6月1日から一斉値上げ」など事前にメーカーリリースや発売元からの情報より、変更日、変更内容が分かっている場合には、一括で修正を行うのがよいでしょう。

3.修正についての案内 

3-1. 修正することをお知らせしてから修正する
修正内容がマスターの利用者に大きく影響する場合は、事前にお知らせをして修正する必要があります。

3-2. お知らせなしで修正する
随時修正が入っても問題がない、あるいはこのマスターはそういうものだと利用者の間で合意が取れている場合などは、お知らせなしで修正することも可能です。

4.更新の履歴

一度更新したけれど、過去にどのような状態だったのか知りたい!ということもあるので、更新の履歴を残すか残さないかなどの判断も必要になります。
たとえば、3年前には小麦粉だったけれど、同じレコードでパスタに変わった場合、レコードを増やして対応すると履歴を残せるので、その年月によって何の商品だったかが分かるようになります。(タイムリーに更新されている必要はありますが)
常に最新の情報だけ確認できれば問題ない場合は、履歴を残さないという選択もあります。

おわりに

商品マスターは、構築して終わり、情報を登録して終わりではありません。登録された内容を「更新」していくこともとても重要です。
「更新」は、元にする情報を決め、更新頻度やチェック方法などのルールを設定し、更新内容により更新方法を見極め、新しいマスター情報へ生まれ変わるための作業です。
日々この繰り返しをしていくことで、商品マスターとしての鮮度を保てている…と思うと大量の業界紙に目を通す苦労も報われる気がします。

さて、商品マスターの「更新」について書かせていただきましたが、まるで人間の新陳代謝のようでしたね。(言い過ぎでしょうか…)
商品マスターは生き物です。
毎日、何をどうやって調理して食べるか、その栄養により絶えず新しい細胞へと生まれかわっている私たちのように、手入れされたマスターは元気いっぱいなはず!
どこかでみなさまのお役に立てているとうれしいです。


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