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欲しい本が、書店にいつもあるために #3 ―――Bookインタラクティブの今
学生の頃は毎日図書館に通い、さまざまな本を読み漁っていました。大人になり、なかなか読書する機会を作れていなかったのですが、ここ1年ほどは定期的に本を購入して読むようにしています。電子書籍もよいですが、私は紙の本を手にして読むのが好きです。本屋をぶらついて、ふと目に留まった本と運命的な出会いをするのも大好きです。(リアルな書店っていいよね。)
こんにちは、編集メンバーの佐藤です。この記事の編集をしている際に、昔は欲しい本が書店に置いていないことが多く、複数の書店を回って購入していたことを思い出しました。最近は欲しい本がほぼ書店に置いてあって、本探し難民になることが減った気がします。もしかしたら、これも当社サービスを多くのお客さまにご利用いただけているからかもしれません。
今回は、出版業界全体を「つなぐ」ためのシステムのお話、第三弾です。今村さんに当社サービス「Bookインタラクティブ」について語っていただきました!
こんにちは。出版グループの今村です。
出版業界向けサービス担当から、これまで2022年に2回にわたり「欲しい本が、書店にいつもあるために」と題して、出版業界向けに提供しているサービスの紹介やその裏側、歴史についてお伝えしてきました。
当社は、出版業界に向けて、以下のページでご案内しているサービスを提供しています。
はじめに
今回は当社が提供しているサービスのうち、本をオンラインで書店から出版社に発注するサービス「Bookインタラクティブ」についてお伝えします。
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Bookインタラクティブの概要については、連載初回でも触れていますので、ぜひご覧ください。
今回は少し踏み込んで、Bookインタラクティブの「今」――現在の状況や、サービスの裏側で現在取り組んでいること――についてご紹介します。
今も増え続けるご利用出版社と、安定した書店会員数
オンライン受発注の浸透も背景に、2022年に80社に到達していた利用出版社は、おかげさまで115社に達しています(2025年1月31日現在)。
また、Bookインタラクティブは、全国5,000店以上の書店で利用いただいています。出版社では各社独自の販売ルートや書店との取引ルートがありますが、これに加え、Bookインタラクティブの利用によって、今まで取引のなかった書店からの注文が入ってくるようになり、販売経路の拡大にも一役買えている側面があるようです。
どんなときに使われている?Bookインタラクティブのよいところ
Bookインタラクティブを使った本の注文は、主に「補充注文」や「客注」の際に利用されています。
書店の棚の本が売れて足りない、欠品している ⇒ 補充注文
お客さまから本の注文があった ⇒ 客注
Bookインタラクティブは、書店から「在庫情報が信頼できる」とのお声をいただくことがあります。特に「客注」の場合、本をお求めのお客さまに確実な情報をお伝えし、お手元に本をお届けするために、在庫情報は極めて重要なものになります。しかしながら、出版社の在庫を確実に把握する仕組みは中々難しいのが実態のようです。Bookインタラクティブでは、在庫情報を更新するための仕組みを整え、出版社によるタイムリーな更新によって、「信頼できる在庫情報」を実現しています。
システムの充実とともに、出版社の運用への協力や、多数の書店の参画による「インタラクティブ」な(意味:相互の、双方向の、相互作用的な)サービスとして成長を続けています。
運営の裏側①出版社の新規導入
Bookインタラクティブの成長は、幅広いジャンルの出版社に導入いただき、ジャンルを問わない多くの出版社の本を一括して注文できる仕組であることにも支えられています。
おかげさまで、現在も継続的に新規導入のお申込みをいただいています。新規導入の手続きでは「Bookインタラクティブヘルプデスク」として次のような対応をしています。
実際の利用イメージをつかんでいただくための、テスト環境の提供
注文できる書誌のラインナップをそろえる、商品登録
在庫情報等の更新方法を選択いただく(データ連携、オンライン)
在庫情報や注文データの運用テストフォロー
出版社のお問い合わせ窓口などの初期設定
導入後、スムーズに書店からの注文に対応いただけるよう、事前確認を余念なく行っています。
運営の裏側②日々のお問い合わせや書店の新規加入
Bookインタラクティブヘルプデスクは、日々の書店利用のお問い合わせ窓口も担っています。
全国に5,000店以上あるとお伝えした利用書店からの操作のお問い合わせや、新規加入(書店は無料で、登録後すぐに利用いただけます)への対応が必要になりますが、お問い合わせのナレッジ化や、新規加入の自動化により、滞りのない円滑な利用開始に取り組んでいます。
また、10年来の運用改善の取り組みの甲斐があり、操作に関するお問い合わせはかなり抑えられています。こういった点でもBookインタラクティブのサービス・システムの充実が垣間見れます。
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開発の裏側:オプション機能
出版社や書店からご要望を受けた機能の改善や、さらに幅広い業務に対応できるよう、オプション機能の開発にも取り組んでいます。出版社に利用いただけるオプション機能として、昨年は以下の4点をリリースしています。
返品承諾機能
レポーティング機能
外部サイト連携機能
JPRO書誌データ連携機能
Web受発注の仕組みでは、従来は注文書のFAX送信など紙媒体で運用されていた注文情報を、データ化してきました。
「返品承諾機能」は、紙媒体からデータ化する流れを、出版業界特有の『再販売価格維持制度』や『販売委託制度』を背景とする『本の返品』の運用にも広げるための機能です。
それ以外にも、受注状況を細かくデータで見ることのできる「レポーティング機能」や、メールやSNSに記載したURLから直接Bookインタラクティブの商品注文ページに遷移できるようにする「外部サイト連携機能」など、より幅広い業務に対応できるよう、オプション機能を提供しています。
おわりに
今回は、Web受発注の仕組みを軸に成長を続けるBookインタラクティブの現在の状況や、取り組みについて紹介しました。いかがでしたでしょうか。
出版社の受注の幅を広げることや、業務効率化につながるツールにしていきたい、書店に日々ご利用いただけるプラットフォームにしていきたいという思いで、機能改善や追加を検討中です。
欲しい本が近くの書店にいつもあるように、できるだけ早く、確実にお手元に届くように、出版社と書店のインタラクティブなつながりを生み出せるように。我々はこれからも日々取り組んでまいります。
本サービスに関するお問い合わせはこちらから
bookinter@intage.com