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欲しい本が、書店にいつもあるために #2 ―――出版業界をつなぐ「縁の下の力持ち」は今日も奮闘!

出版業界全体を「つなぐ」ためのシステムを提供しているインテージテクノスフィア。システムを導入して完了、と思われがちですが、実はシステムの裏側で奮闘しているメンバーがいるのです!24時間365日、正しいデータを提供する「縁の下の力持ち」が何をしているのか?これ、案外あなたの仕事にもちょっと参考になるかも!?

こんにちは。編集メンバー&経営企画部の池田です。前回は9月に入ってすぐ、読書の秋にあわせて、わたしたちが提供しているサービスをご紹介しました。

前回の記事は、たくさんの「スキ❤」をつけていただき、多くの方に届いていることを実感できました。 出版業界を担当する営業メンバーも改めて日々の業務をがんばろう!という気持ちになったと聞いています。伝えることの大切さを実感しています。
ということで、勢いにのって第二弾を企画しちゃいました。
今回は、システムの運用専任チームにいる北城さんに、出版業界ならではの昔と今でどう変わってきているのか、データの特徴や活用などを語ってもらいます。


10年ひと昔というけれど…

エンタープライズ第二本部システム・サービス二部出版グループの北城です。入社以来出版の業務に携わって、気が付けば早10年になろうかとしています。
10年前、書店では、書籍の注文や売り上げを把握するために、スリップというものが多く流通し、使われていました。

スリップとは、この事です

このスリップは100枚単位などの束で、輪ゴムで止められて当社に届いていました。その頃は、このスリップを読み取る仕事にも関与していました。
当時の執務室には、読み取りのための大型の専用機器が2台ありました。まずスリップを読み取る準備として断裁機でボウズ(スリップ上の出っ張っている部分)を切り取ります。

特注品の断裁機

読み取り機器の電源を入れると大きな音が出て、ローラーでベルトが回されて、ベルトの上で1枚1枚のスリップが高速で流されて、1分間に100枚以上も読み取りがされていました。

スリップ読み取り機

多いときは年間約1,000万件以上のスリップの読み取りをしていました。毎日ひっきりなしに届くスリップの読み取り作業が朝から夕方までずっと行われていたのを思い出します。

出版POSシステムが主流の時代へ!

そんなスリップの取り扱いの枚数も徐々に減り、2020年1月でスリップの読み取りサービスは終了となりました。スリップの読み取りがされていない、執務室はとても静かで寂しさを感じることもあります。
このスリップに代わって現在稼働しているのは「出版POSシステム」です。

POSってご存じですか? 世の中、多くの商品のパッケージにはバーコードがついていますよね。みなさんがスーパーマーケットなどで買い物をするとき、レジでピッとスキャンされている、あれです。書籍にもあります。しかし、出版業界の場合は、食品や日用品などの業界と違って、POSデータはちょっとユニークな使われ方をしています。

出版業界におけるPOSシステムはちょっとユニーク

出版業界には、業界固有の2つの制度があります。
「再販売価格維持制度」「販売委託制度」です。
紙の書籍はどこの書店で買っても同じ値段ですよね? そうなんです、日本全国どこでも、紙の書籍は定価販売されているのです。定価で販売するために書店側は、買い切りで販売しないケースも多く、売れなかった書籍については返品ができます。つまり、書籍の売り上げ管理は、出版社側も書店側も仕入れ時点ではなく、実際に書籍が売れた時点でカウントされます。昔は、書籍に挟まれていたスリップを用いて売り上げを把握していましたが、現在では、主にPOSデータが用いられています。
    
この書籍のPOSデータは、こんな事に活用されています。

  • 出版社から書店への報奨金(販売奨励金)の支払金額算出

  • 重版(本を追加で何冊刷るのか)の予測

  • 配本ランク(本の仕入れ数等に影響)の決定

  • 書店への営業(出版社が書店と打ち合わせして、仕入れ冊数などを交渉するなど)

正しいデータを提供するため、がんばっていること&ポイント

2022年11月現在、インテージテクノスフィアの出版POSシステムでは、約5,000書店のPOSデータを収集し、270社の出版社へPOSデータを公開していますが、漏れ・重複・誤りのない正しいデータを公開するために毎日さまざまな監視と確認作業を行っています。例えば、

  • 同じ店舗で同一日の売り上げが重複していないか?

  • 同じデータが2回送信されていないか?

  • 新しくオープンする店舗の開店前のデータが送信されてないか?

  • 店じまいする店舗の閉店後のデータが送信されてないか?

  • 冊数の異常はないか? 想定以上の冊数のデータが送信されていないか?

  • データの件数は正常か? 普段と異なり少ない件数・冊数、多い件数・冊数はないか?

  • 商品マスターにないデータはあるか? 商品マスターの登録漏れはないか?

  • 店舗単位でデータに漏れはないか? 店舗の休みの情報はあるか?

 などなど…くらくらします。

しかし、データに魂を込めるのがインテージテクノスフィア(わたしたちのビジョン)ですから、必死です。
日々の監視・確認作業の中で、精度が良く質の高いデータを提供する上でのポイントがあります。これは業界を問わず、さまざまな業務にも共通することだと思います。

【ポイント 1】早く気づいて、すぐに対処する
データ異常は、あとから気づくと、リカバリー処理やデータの復旧に手間も時間もかかり、顧客への影響も大きくなります。日々のデータを監視し、不審な点があれば即時に確認・対応を行っていくことが重要です。日次データの監視により、月次データの確定の際に精度の良いデータ提供が可能となっています。
仕事もチェックのタイミングでミスを発見してすぐに修正することが肝心ということですね。

【ポイント 2】トラブルには未然防止こそが一番の対策
インテージテクノスフィアの出版POSシステムは、24時間365日稼働しています。処理は土日祝日も行われ、データ公開しているため、処理の監視、公開サイトの稼働監視を常時行い、監視の仕組み、体制を整備しつつ、出版社へのサービス提供が出来ているかまで確認してサービスを提供しています。この確認作業をすべて自動化することは、実はとても難しいことです。システムで自動判別した方がいい場合、人の経験や知識を活かして判別する方がいい場合があるため、それぞれの利点を活かしています。
トラブルが起きる手前でチェックできるようになれば、影響を最小限にとどめることができます。

【ポイント 3】チームメンバーと「小さな気づき」を大切にする
ちょっとした異常があっても、人というものは「たまたま、そうなったのだろう」と思い込んでしまいがちです。だから、「いつもと違う」という違和感があったら、その気づきをチームメンバーとシェアをして議論をし、潜んでいるかもしれない問題に一緒に取り組むようにしています。
チームでの作業は同じ目的の下、一人ひとりの「小さな気づき」を共有することもトラブルの未然防止には不可欠です。

わたしたちは、出版POSのサービス運営をこんなふうに行っています。
現在は、出版POSだけではなく、書店と出版社をオンタイムでつなげるためのBookインタラクティブや、書店の中にある在庫データを見える化する在庫中継サービスなどがあり、さまざまな領域へと取り扱うデータを広げています。


欲しい本が近くの書店にいつもあるように、出版社と書店をデータでしっかりとつなげること。出版社にも書店にもその双方に常に正しいデータを提供すること、そのために目に見えない努力を一人ひとりが積み重ね、継続すること。それがこのサービスの柱です。
わたしたちは、出版業界の「縁の下の力持ち」の一端を担っている、という誇りがあります!

世の中でがんばる大勢の縁の下の力持ちのみなさん、トラブルを未然に防いでがんばりましょう!

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