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ServiceNow全社展開を目指して~まずは情シスで市民開発やってみた~

以前、社内の情シス部門で実施した業務DX化についてご紹介しました。

実はこの記事内にある申請窓口の構築は、情シス部門内でプログラム開発経験のない「市民」が手掛けています。
今回は情シスで実施した市民開発について、開発リーダーを担当した木村さんに語っていただきます!


自己紹介

ご紹介にあずかりましたグループビジネス推進本部の木村です。
IT基盤を活用した社内業務DX化の推進を担当する部署で、ServiceNow開発チームリーダーをまかされています。
最近は趣味でハーブを育てています。その生命力に日々元気づけられています。

インテージテクノスフィアnoteでは自分自身で記事は書いていないものの、すでに4つの記事で名前が登場しています。そのうち3回は顔面公開済みで、自称noteの常連!?です。
ServiceNowの虜である私が登場した過去記事の中で、ぜひ読んでいただきたいのがこちらです!!

市民開発とは

ここ何年かで「市民開発」や、市民開発と銘打ってなくとも「現場社員がらくらく業務アプリ開発~♪」のような広告を目にする機会が増えているかと思います。

市民開発:ITやプログラミングの専門知識がない業務部門の従業員が、ローコード/ノーコードのツールを使用して業務システムの開発をすること。

当社でも市民開発を全グループ会社に展開し、業務DXの推進を加速させるべく準備を始めています。
そこでまず第一弾として、私が所属する部署(いわゆる情シス)内で市民開発をやってみる!という取り組みからスタートしました。

役割分担

ServiceNow開発チーム:
市民開発の効率化・裾野拡大のために、標準開発プロセスの策定、各種開発フォーマットの提供などを実施。
難易度の高い開発については一部支援。

市民開発者:
開発チームの提供情報をもとに開発を主体的に実施。

これからご説明する情シスでの市民開発は、以下のステップで進めました。
1. ServiceNow開発チームが先行開発に取り組み、開発のポイントを洗い出し
2. 開発未経験の情シスメンバーを「市民開発者」と見立てて、PoC開発を実施

今回は、その取り組みをご紹介します。

ServiceNowでの開発ポイント

ServiceNowが得意なこと

まずServiceNowがどのようなシステムなのかを説明します。
他にも語るべきことはありますが、ずばりワークフローを使って業務効率化を手助けしてくれるシステムです!
ワークフローとは、申請や承認、決裁などの一定の手順を自動化する仕組みです。たとえば、社内稟議や社内申請などのルーチンワークがServiceNowで楽になるかもしれません。

開発チームによる先行開発から得た学び

私を含むServiceNow開発チームが行った開発を通じ、ServiceNowには複数開発ツールがあることがわかりました。そのため考え方も独特であり、初心者は次のことをしようとしてつまずき、仕上がりが十分でなくなってしまうと確信していました。

陥りがちなつまずきポイント

  1.  複雑な画面制御をしようとする
    画面制御とは「OOでAAを選択したときには××が非表示になる」、「OOでBBを選択したときにはYYは必須になる」、「OOの時にはBBに値をセットするなどの制御」などです。考え方が独特なので、初心者が理解をするのに時間がかかってしまいます。

  2.  複雑な時間の判定をしようとする
    例として毎月第三営業日に…などの条件で時間の判定をすることが考えられます。ServiceNowの標準には営業日カレンダーが備わっていないため、営業日を使用することはできません。

  3.  利用者が入力に迷う項目名を使ってしまう
    ServiceNowで入力フォームを作成する場合は入力項目に補足の説明や、入力例を表示することができます。たとえば、ユーザーの接続元のネットワークが社内か社外か入力させたい場合、項目名が「接続元ネットワーク」ではなく「利用場所」とするとわかりやすいですよね。
    ちなみにServiceNowは入力項目の説明欄は文字数が限られているので、簡潔に短い文章を考えるのが入力ミスを少なくするポイントです。

  4.  なんでもかんでもエラーチェックする
    ServiceNowでは複雑なエラーチェックをしようとすると、別途開発が必要になります。画面制御と同様に考え方が独特なので、初心者が理解をするのに時間がかかってしまいます。

これらを極力避けるためのポイントは、ServiceNow開発チーム・市民開発者・そのシステムの運用担当者やユーザーがタッグを組んで、本当にシステムでやるべきこと、不要なものを整理して設計することです。
難易度が高く別途開発が必要になってしまうものでも、どうしても実現させたいこと、対応した方が良いことは、ServiceNow 開発チームで実装しました。

ServiceNowでの市民開発

市民開発前に準備したこと

ServiceNow開発チームによる先行開発の学びをもとに「開発経験や知識がない人が短期間でアプリケーション開発を行うためには何が必要か」という視点から、開発チームで下記を準備しました。

  1. 対象業務の絞り込み
    ・申請~承認~登録 といった一定の型にはまる業務のみを対象にする

  2. 開発のための準備
    ・穴埋め式のヒアリングシートで仕様を明確化し、定型化する
    ・定型アプリケーションの見本(雛型)と基本的な開発手順を作成
    ・テストケースは雛型を作成し、検証漏れを防止
    ・今回の開発に必要な知識に絞った勉強会(環境の利用方法、基本的な概念や操作の説明 など)の実施

作成した定型アプリケーションのひな型
よく使用する項目や制御をあらかじめ組み込んでおき、必要に応じて修正して使用できるようにしました
作成した開発手順
よく使用する画面制御の使い方やチェック処理の見本を用意しておき、コピペと修正で使用できるようにしました

市民開発者と開発チームのギャップを埋めるために工夫したこと

先行開発から得た経験をもとに私たち開発チームは、市民開発者とともに、開発対象の業務を整理することから始めました。
情シスの市民開発者は現行の仕様に慣れているため、その仕様のままにシステム化したがる傾向があります。現行の仕様を知らない人が見ると「なぜこれが必要なのか…?」という項目もあり、聞いてみると「なんでだろうね…」といったやりとりも…。
そのため、私たちは、本当に必要なものが何か考えるように根気強く打ち合わせを繰り返し、シンプルな仕組みづくりを目指しました。

最後に

私はこの取り組みが大人数の社内の人と関わるはじめての機会になりました。当時は配属されてすぐだったこともあり、情シスメンバーや現行のシステム・業務をはじめ、何もわからないままよくやっていたと思います。
もうすぐインテージグループ内で市民開発が本格化します。
市民開発は業務担当者が業務改善を直接行うことで効率化が実現しやすく、また既存の業務プロセスを見直す良い機会になります。サポートする開発者は自分の知識と経験を活かした手法を提案し、そのシステムが無事にリリースを迎えたときには達成感があります。
この記事が同じように自社で市民開発を推進する方にとって成功への一助になると嬉しいです。

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