ChatGPT研究会、爆誕。
最近盛り上がっているChatGPT。どうやら当社にもその波が来ているようです。今回は何気ない会話をきっかけにChatGPT研究会が生まれ、実際にチャットボットを社内導入するに至る過程を、研究会の立ち上げメンバーである伊藤さんにレポートしていただきます!
自己紹介
今回3度目の投稿となるデータビジネステクノロジー本部・リサーチシステム2部の伊藤です。
入社3年目となりました。2年目と同じく、POSデータの収集・分析をするサービスの開発・運用を行う部署で主に開発を担当しています。
ここ最近は友人と一緒にゲームの開発を行っています(あまり開発時間がとれず、友人が作成したゲームのテストユーザとして遊ばせていただくことが多いですが…)。作ることは楽しいですが、長い時間作成しているとだんだん画面に酔ってしまうので、画面酔いに強くなりたい今日この頃です。
以前投稿した記事はこちら
はじめに
すっかり世の中にも浸透してきている「生成AI」。日々、新たなサービスが発表されたり、新たな活用方法が考えられたりと情報を追うのも一苦労です。
そんな生成AIを活用すべく、多くの企業で開発や導入が進められているかと思います。しかし、そもそも「どのように活用できそうか?」「会社として生成AIのサービスを導入するには?」「導入したときのセキュリティ対策はどうするか?」など導入前、導入初期にどのように対応するか考えなければならないポイントがあります。
今回は社内で取り組んだ、「生成AIの導入前の活動」について紹介します。
これから組織で導入や利用を考えている方の参考となれば嬉しいです!
活動の始まり
活動の火種となった(と勝手に私が思っている)のは、今年の3月後半に行ったCTOの秦さんとの雑談です。
その頃業務外でChatGPTを使用して「これ使える!」となっていた私は、ChatGPTに関して、「こんなことに使えそう」「ガイドラインは必要だと思う」といったことを話していたように思います。
雑談の最後に秦さんが、「研究会を立ち上げて、業務としてChatGPTの導入や活用を行っていこう」と言ってくれました。その後4月に「ChatGPT研究会」という名前で、業務として生成AI(特に大規模言語モデルを用いた対話型AI)の活用・導入に関わる活動を開始しました!
秦さんとの雑談から活動開始までは、なんとわずか2週間の出来事でした。
ChatGPT研究会としてどのような活動をしていくか
集められたメンバーは私を含め8名(後に2名加わり10名となります)でした。集められた8名は部長から3年目の社員まで年次はさまざまで、うち3名は主にAIに関する分野の業務を行うメンバーでした。
顔合わせのあと早速、議題は「ChatGPT研究会としてどのような活動をしていくか」になりました。その場では大きく以下が挙げられ、研究会のメンバーが自主的に活動しながらこれらを進めていくこととなりました。
ChatGPTなど大規模言語モデルを用いた対話型AIサービスの社内導入
利用促進
情報・事例収集
新たな価値創出や、活用方法の模索
導入は意外と難しい
上記の項目について活動は進めましたが、今回は特に「導入」と「利用促進」について紹介します。
この頃すでにインテージグループや、私の属するデータビジネステクノロジー本部から「ChatGPTなどの対話型 AI サービス利用にあたっての注意喚起」が発表されており、この内容を遵守した上での使用は問題ありませんでした。
しかし注意喚起が出た直後ということもあり、社内の一部では「使ってよいのか不安」、「どのサービスは使ってよくて、どのサービスはダメなのか」といった声がありました。
そこでまず行ったのはデータビジネステクノロジー本部社員が使用できるSlackへのOpenAI API (GPT-3.5) を用いたチャットボットの導入です。
導入として、まずこの方法を取ったのは以下の理由からです。
チャットボットの導入まで時間がかからない(すぐに実装できる)
対話型AIサービスを使用する際にユーザ登録の必要がない
使用料金を一元管理できる
OpenAI APIは入力されたテキストが学習に利用されない
「これならば使用してよい」ものをまずは作る
このチャットボットはAWS LambdaとAPI Gateway、Cloud9を利用して作成しました。
ChatGPTやBingAIとの対話を頼りに、AWSでの実装経験はもとよりコーディング経験ほぼゼロの社員が約12時間で作成しています。
ただし、この方法でAPIを通じて送られたデータはOpenAI社側に最大30日間保持されるため、機密情報や事業に関わる情報などを入力することはできません。
導入してよかったこと
できたものはこちらです。
Slack内で、「@ChatGPT-in-Slack」をつけて投稿すると、APIから返答が返ってきます。
こちらのSlackチャットボットを社内へ広報したところ、導入したチャットボットはすぐに使われ、現在も使用されています。そのため最初に「これならば使用してよい」ものを作ったことによる一定の効果はあったと感じています。
それ以外にも、今回は社員であれば誰でも見ることができるオープンなSlackチャンネルに導入したため、他の方がどのような対話をしているのか参考にできることは良かったポイントだと思っています。
利活用して価値創出や効率化をしてもらおう
次に行ったのは、導入したSlackチャットボットや、ChatGPT、BingAIの利用・活用促進です。
「もくもく会」という形で参加者を募り、自由なテーマで対話型AIを使って、作業を行ったり、活用方法の模索などをしたりしました。
参加者の中にはnote記事を書く際の壁打ち相手として使用した人もいました。
その人は、Slackへ導入したチャットボットを用いてこのように壁打ちを行っていました。
実は、壁打ちにより得られた文章がこちらの記事の一部で使用されています。
終わりに
今回紹介した以外にもさまざまな活動を行っていました。
「導入」では、Azure OpenAI ServiceとStreamlitを用いたチャットボットを作成しました。「利活用推進」では、社内情報共有会での発表なども行っています。
ただ現時点では、「すべての社員が誰でも使えて、事業情報を入れても問題ない」ものの導入ができていません。
今後は対話型AIを用いた効率化や新たな価値の創出に向けて、「事業情報を入れても問題ない」ものの導入と利活用推進を進めていければと思います!